気まぐれな君も好きだから
結局、良い方には行かないんだろうな.......

それが正直な感想。

今まで努力して極めて来た専門分野が消滅してしまうこと以外は、たいした変化も無いんだろう。

期待はしないでおこう。



気になるのは無くなることが決まった部門のバイヤーを務めていた先輩だ。

唯一の女性バイヤーで、女子社員の希望の星、田本さん。

マネージャーになれない私達、大卒女子社員の多くは、田本さんに憧れ、彼女の後継者になることを目標にしていた。



田本さんは尊敬するべき存在だし、私を可愛がってくれていた。

いつかは田本さんみたいになりたいと私も密かに思っていただけに、このことは残念で仕方ないし、突然、目標を失ってしまったようで、とても寂しい。



田本さんは、私に教えてくれた。

女の子には女の子なりの頑張り方もあるんだから、立場なんて気にしないで、自分の出来ることを一生懸命やっていればいい。

そう信じていれば、結果は自ずと付いて来るって。



今まではそれを励みに頑張っていたけど、男性優位の会社の中で絶対的な強みを失ってしまった以上、それだけではもう何の評価も貰えないのかもしれない。

どうするのが正解なのか、しばらくは衣料品部全体が手探り状態だろう。

とりあえずは今まで通り、立場なんて気にしないで、誠心誠意、頑張るしかないのかな.........

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