気まぐれな君も好きだから
泣いて、スッキリして、抱きしめてもらって安堵する。

これからどう仕事と向き合うべきか、答えなんて見つからないのに、何となく前向きになって、まだ頑張れるかなって思えて来る。



こうして遥希の温かい愛情に包まれていると、モヤモヤした気持ちが浄化されたみたいになるから不思議だ。

胸の中にいるだけで安心してしまうから、いつの間にか私は遥希に頼りっぱなしになっている。



可愛さに癒されたくてホンの出来心から始まった関係だったのに、今の私を何よりも支えているは、いつもそばで微笑んでくれる遥希の存在。

それが、現実。

誰もが認める年上の完璧な彼氏がいても、ずっと好きだった人と両思いだとわかっても、私は遥希を離せない。



だけど私にとって遥希って何なんだろう。

恋人でも友達でもなければ、割り切って遊ぶ相手でもない。

カラダの関係がある訳じゃないのに、心は誰よりも繋がってる。

いなくなったら困るって、今はもう本気で思ってる。



遥希の優しさに甘えてこんな曖昧な関係を続けて来たけれど、気が付けば遥希はもう私の心の奥の方まで入り込んでいて、誰も触ったことのない部分にまで触れられているような気がする。

一緒にいれば、私の中にある「結婚」や「家族」に対する変なわだかまりも、いつか全部消えちゃうじゃないかとさえ思える。
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