気まぐれな君も好きだから

「ほら、そこの仲良しカップル行くよ〜！」

「は〜い。」



大型店での勤務が多かった古谷君には、この女子会のメンバーにも知り合いが多い。

短い間だったけど田本さんの下でも働いていたから、送別会に参加するのも自然な流れだろう。

そしてこの女子会メンバーのほとんどは、古谷君と私が特別に仲の良いコンビだと理解している。

端から見ても絶妙な間合いで、ボケたりツッコんだりしているように見えるらしい。



「沢井君には申し訳ないけど、あんたらって、ホント仲良しだよね。何だろう？ この一緒にいるのが当たり前感。」

「わかる〜！ そばにいると戯れずにはいられない？」

「そう、そう。どうしてこの組み合わせで付き合わなかったのかな？」

「うん、不思議。あ、でも沢井君が歩未ちゃんのこと、放っておけなくなっちゃったんだから、仕方ないか。」

「そっか、そうだよね〜！ 沢井君、歩未ちゃんのこと、可愛くてしょうがないっていう目で見てるもんね。師匠にあんな目されたら、古谷君も手が出せないか。」

「ほんとにそう。羨ましいよね〜！」