気まぐれな君も好きだから
トップアップ日には1店舗で一千万以上売るというそのブランドは、まだ日本に上陸して間もない。

だけどブランド名はすで世間に浸透しているし、私自身もそこの商品を愛用している。

ブランドにも、企業自体にも、最先端を行くカッコいいイメージがある。



主人公の彼女は沢山のアルバイトを束ね、自分より年上の男性の部下に指示を出し、お客様を笑顔にしていた。

アメリカ人の上司にどんどん意見をぶつけ、討論しながらも、着実に売り上げを伸ばして行った。

クレームおばさんに「女はいらない」とか言われてる私とは大違い。

仕事に精一杯打ち込み、次々とその成果を勝ち取っていく彼女は、画面の中でキラキラ輝いてた。

羨ましいし、憧れる。

私は縁遠い夢のような世界だなと思っていたら、最後に気になる告知があった。



日本国内にまだ五店舗しかないそのブランドは、今後店舗を増やして行くに当たって、彼女のような人材を広く募集しているという。

年齢も性別も学歴も一切問わない、完全実力主義という外資系らしいふれこみに、とても惹かれる。

彼女みたいにはなれないかもしれないけど、頑張ったことが頑張った分だけ、正当に評価される仕組みの元で働いてみたい。

私の中でそんな気持ちが湧き起こった。
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