気まぐれな君も好きだから
途中、ポップな感じのアメリカンダイナーに寄って、お皿からはみ出そうなハンバーガーと山盛りのポテトを二人でシェアして食べた。

ナイフとフォークじゃないと食べられないような大きなハンバーガーに盛り上がり、テンションも上がる。

遥希の嬉しそうな顔を見ていると私も嬉しくなるし、何でもないこともすごく幸せに感じる。

一緒にいたいって、そういうことなんだよね。

だんだん自分の本当の気持ちがわかってきたように思う。




古谷君を完全に諦めることは辛い。

でも遥希といれば、いつかきれいに忘れられそうな気がする。

最初は上手くいかない毎日のイライラを、癒してくれればそれでいいと思ってた。

なのに今はすっかり頼りきっているし、いなくなることが不安でたまらない。

俊の居場所がなくなるくらい、遥希は私の中を占領している。



家に着く前に、この前の河原に寄った。

野球グランドの脇にあるベンチにぴったりくっついて座って、お月様を眺めながら聞いてみる。



「遥希は何があっても、私を好きでいてくれる?」

「うん。」

「離れてても変わらない?」

「変わる訳ないじゃん。」



遥希は囁くように言うと、そっとキスをくれた。

それだけで落ち着く。

遥希に愛されてると思うと、いろんなモヤモヤから解放され、とても安心する。

この気持ちは、きっと間違ってないんだと思う。

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