気まぐれな君も好きだから
気になる疑問を残しつつ、家に帰ると、私宛に手紙が届いていた。

この前試しに応募してみた例の外資系企業からだ。

あんな簡単な履歴書送っただけで、もう面接の案内が来ちゃうんだ。

勢いのある企業はやっぱり動くのが早いな。



日時を見てみると、ちょうど今週の休みの日だ。

今のところ、特に予定もないし、何事も経験だから、とりあえず行ってみよう。

あまり深く考えずに、指定されたフォームで「出席」とメールを送った。



さっき、高瀬さんに言っていたことが、どうしても気になる。

遥希の家が資産家なのは、何となく理解できる。

だけどあんなにフワフワしてて、優しい顔で笑う遥希に「苦労」っていう言葉は似合わない。

だいたいお金持ちなのに、苦労って?



きっと私のしてきた苦労とは、明らかに違う種類の苦労だとは思う。

でもよく考えたら、私だって遥希に自分の生い立ちを詳しく話したことはない。

話して遥希が私をどの程度受け止められるのかも知りたいけど、遥希自身のことはもっと知りたい。

どんな風に育ったのか、何を抱えているのか、聞いてどうなる訳じゃないけど、支えてもらうばっかりじゃなくて、私が助けてあげらえることがあったら嬉しい。

今度のデートの日、チャンスがあったら聞きたいな.......
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