気まぐれな君も好きだから
なのに、家に帰ってパソコンを開いたら、もう合格のメールが届いていた。

何なの、それ?

展開が早すぎて、着いて行けない。

それでも次のインタビューを受けてくれと言うので、とりあえず出勤前に寄れる早い時間を指定して、ドキドキしながらパソコンを閉じた。

もしかして、私にとって新しい世界が始まろうとしているのかもしれない。

この時になって、初めて転職を強く意識した。



自分の年齢を考えると、これは最後のチャンスなのかな。

しかも憧れの会社で、すでになぜか一次試験には合格している。

頑張れば、仕事で認めてもらうという夢も叶う。

心が揺れる。

今の会社での楽しい思い出がグルグル頭の中を回り始める.......



スマホの着信音で、ふと我に返る。

手に取ると、遥希からLINEが届いている。

新しい店舗での勤務シフトが確定したから、デートの日を決めようっていう内容だ。

もし私が会社を辞めたいって言ったら、遥希はなんて言うのかな。



そう言えば、俊からもメールが来ていた。

話したいことがあるって。

でもこの前の返事だったら、まだできない。

気持ちはもう決まってるけど.....どう伝えたらいいのかわからない。



転職だって俊は反対するに決まってる。

俊は家庭に入ってくれる可愛い奥さんを望んでいる。

どんどんわかって来た気がする。

私は多分、本当は俊の望んでいるような女の子じゃないんだと思う。
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