気まぐれな君も好きだから
異動から一週間が過ぎ、遥希のいないお店にも少しずつ慣れて来た。

連日、遥希は何かしら連絡をくれるし、私達の気持ちの繋がりは思った以上に強かったみたい。

顔を思い出せば寂しくても我慢できるし、会える回数が減った分、会える日を楽しみに出来る。

そしてやっと会える日が来れば、嬉しさも倍増する。



私はやっぱり遥希が好きなんだと思う。

随分と遠回りしちゃったけど、もう迷いも薄れて来た。

そろそろその気持ちをハッキリと、遥希に伝えてもいいのかな.......



今日は映画を見て、その後、街中をショッピングがてらブラブラする予定だった。

でも遥希が私を迎えに来た時点で、曇り空。

天気が怪しいねって言いながら出かけて、映画館を出た頃にはポツポツと小雨が降り始めていた。



梅雨時だから仕方ないけど、ランチを摂って外に出た時には、もうゲリラ豪雨みたいな大雨。

外を歩くのにはちょっと勇気がいる感じで、映画館が入っている建物内のお店を見て回ることにしたけど、あまりの雨の勢いに、移動のため、テラス内を歩くのも厳しい状態だ。

動かないでゆっくりお茶でもするしかないなぁ.....なんて考えてたら、遥希が思いがけないことを言った。
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