気まぐれな君も好きだから
全力で挑んでくれたせいか、遥希は汗だくで息を整えている。

私を見る目が前にも増して優しくて、目を合わせているだけで安心する。

抱き寄せられて、私の中にも遥希を愛してると思う気持ちが広がって行く。



だから、もう言ってもいいのかな。

今の私の正直な気持ち。

私は、遥希が好き..........



「ありがとう、歩未。」

「ありがとうじゃないよ。私もそうしたかったんだから。」

「でも.......。」

「遥希が好き。」

「..........。」

「だから、今、すごく幸せ。」

「歩未.....。」



痛いくらいギューっと遥希に抱きしめられる。

わかりやすいカワイイ反応と、男らしい逞しい腕のギャップにキュンとする。



今の言葉を、遥希がどの程度の「好き」って思ってくれたかはわからない。

でも私の中では、一緒にいたいのは俊じゃなくて遥希だということは、もう明確になったように思う。



だからこそ遥希に言っておきたいこと、聞きたいことがたくさんある。

遥希になら、私をまるごと受け入れることができる気がする。

そして高瀬さんの言うように遥希が何かを背負っているなら、私がいつも助けられているように、今度は私が遥希を支えてあげたい。
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