気まぐれな君も好きだから
「うん、だからね.......実は、転職も考えてる。」

「そうなの?」

「勢いで試しに応募してみたら、一次面接通っちゃって、どうしようかなと思ってる会社がある。」

「そこの会社なら、やりたいことができるの?」

「うん、年齢も性別も一切関係なしの実力主義。その分、厳しいだろうけど、絶対やりがいはあると思うの。いくら結婚に興味がないって言っても、出産にはタイムリミットがあるし、もう28だから、あんまりゆっくりもしてられないでしょ?」

「そうか。女性はそういうこといろいろ考えなくちゃいけないから大変なんだね。」

「もし転職するって言ったら、遥希は応援してくれる?」

「もちろん。もしそうなっても、会ってくれるんでしょ?」

「当たり前でしょ。私、遥希と離れたくないもん。」



言っていて自分で寂しくなって、遥希の首に腕を回して抱きつく。

髪を撫でながら、遥希も私を優しく抱きしめてくれるから、とても安心する。



「歩未は、えらいね。そんなにいろんなこと背負って、小さい頃から頑張って来たんだ。だから言いたいことがあっても、我慢しちゃうんだね。」

「..........。」

「そういう強くて頑張り屋さんなところも好きだけど、俺には言ってよ。何があっても、俺が歩未を守るから。」

「.....そんなこと言って、責任持てるの?」

「うん。俺は歩未がそばにいてくれれば、何にもいらないから。」

「......バカ。」
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