気まぐれな君も好きだから
だから深みにどんどん嵌って行く。

子犬の顔をした小悪魔に捕まった私は、この曖昧な関係の心地良さから、もう抜け出すことができない。



二人きりでいる時、遥希が私の周りに作り出す空間には、何とも言えない甘くて柔らかな空気が流れている。

甘ったるくて、くすぐったくて、気持ちいい。

身を任せて、溶け込んでしまいたくなるような空気。

それはいくら完璧な彼氏でも、絶対に真似のできないワザ。



でも多分、それは毎日、24時間、必要な訳じゃない。

仕事で疲れた時、凹んだ時、一人でいるのが寂しい時、遥希は私に寄り添って、心の隙間に入り込む。

欲しい時、欲しい分だけ癒しをくれる。



遥希との甘くて曖昧な関係は、そういう意味でもほど良く、ちょうどいい。

今の所、遥希は私に無理を言わないし、キス以上のことを求めない。



だからこそ、不思議なバランスが、二人の間に保たれているのだろうけど.........


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