気まぐれな君も好きだから
私の気になる相手、古谷君は新入社員の頃、マネージャーになりたての俊の下で勤務していた。
仕事の基本を教わったのは俊だし、バイヤーになってからの活躍ぶりにも尊敬の念を抱いている。
だから俊の前では、私とはただの友達、単なる同期として振舞い、特別に仲が良いところを見せないようにしているらしい。
俊はとっくに、それに気付いてるとは思うけど。
「ま、見つかったんなら良かったけど、欲しい商品があるなら、俺に先に言えよ。どこの店にありそうか、すぐ教えるから。」
「うん、今度はそうするね。俊は忙しいから、なかなか捕まらないんじゃないかと思って。お客さん、返事急いでたし、貰っちゃった方が早そうだったから。」
「みんながみんな、単なる客注品くらいで俺に直に電話して来たら困るけど、こういう時くらい、彼女の特権使えよ。」
「ふふふふ.......そういうのアリ?」
「全然アリ。」
「わかった。」
小さな焼きもち。
大人の言い訳。
俊らしいと言えば、俊らしい。
仕事に私情を挟むと言ってもこのレベルだし、かつての部下に嫉妬しているなんて死んでも言う訳がない。
仕事の基本を教わったのは俊だし、バイヤーになってからの活躍ぶりにも尊敬の念を抱いている。
だから俊の前では、私とはただの友達、単なる同期として振舞い、特別に仲が良いところを見せないようにしているらしい。
俊はとっくに、それに気付いてるとは思うけど。
「ま、見つかったんなら良かったけど、欲しい商品があるなら、俺に先に言えよ。どこの店にありそうか、すぐ教えるから。」
「うん、今度はそうするね。俊は忙しいから、なかなか捕まらないんじゃないかと思って。お客さん、返事急いでたし、貰っちゃった方が早そうだったから。」
「みんながみんな、単なる客注品くらいで俺に直に電話して来たら困るけど、こういう時くらい、彼女の特権使えよ。」
「ふふふふ.......そういうのアリ?」
「全然アリ。」
「わかった。」
小さな焼きもち。
大人の言い訳。
俊らしいと言えば、俊らしい。
仕事に私情を挟むと言ってもこのレベルだし、かつての部下に嫉妬しているなんて死んでも言う訳がない。