気まぐれな君も好きだから
「木曜日、休めそうなんだ。木曜って、確か歩未も休みだっただろ?」

「うん。」

「歩未が良ければ、久しぶりにどっか泊まろうか?」

「ほんと? 嬉しい。」

「俺だって、たまには歩未と朝まで一緒にいたい。」

「そうだよね。」

「じゃ、飲み会行った後、適当に抜けて、二人でゆっくりしよう。」

「うん。」

「決まりね。さ、じゃあ、残りの仕事、片付けなくちゃ。歩未といられる日に、持ち越したくないし。」

「頑張って。」

「うん。楽しみにしてるから。」

「うん。じゃ、水曜日。」

「お休み。」



お泊りなんて、何ヶ月ぶりだろう。

やっぱり嬉しい。

他の男の子に気持ちが揺れてはいても、私が一番大切に思っているのは俊。

俊がずっとそばにいて、他の誰も目に入らないくらい愛情をくれれば、こんなにフラフラすることはないのかもしれない。



でもそれは叶わないって、わかってる。

わかっているのに、素直に「寂しい」って言えない私は、やっぱり近くにいて甘えさせてくれる存在に頼ってしまう。

隙間を埋めてもらうだけのはずが、どんどん奥へと侵入させてしまう..........
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