気まぐれな君も好きだから
「じゃ、それ、明後日でいいから、古谷宛に送ってやって。」

「はい。」

「あ、そういや、さっき電話したら、古谷も今日来るって。」

「え?.......あ、そう。」



思わぬ展開に、本格的なドキドキが始まる。

同じ部門を担当しているだけに、今でもにもこういうことが何度かあったけど、二人が同時にそばにいることには、どうしても慣れない。

店も近いし、二人は師弟関係だから、十分あり得ることだとは思う。

でもすぐには心の準備ができない。



「小山も連れて行こうよ。お前らの同期、他にも誰か来るって言ってたし。」

「へぇ。誰、来るんだろ?」

「てか、幹事、誰なの? こんなにいっぱい集めて入れる店あんのかな。」

「何とかなるんじゃない? いろんな人来て、楽しそう。」

「うん。でも俺はその後の方が、もっと楽しみだけど。」



頭をポンポンしながら、俊が微笑む。

そう、今日は俊に甘える日。

私は「沢井バイヤーの彼女」としてみんなの前で振舞うべきだし、古谷君の様子を伺ってる場合じゃない。
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