気まぐれな君も好きだから
あぁ、でも大丈夫かな.........

って、もう、なんでよ!

私にこんなに心配させるなんて、生意気。

遥希のくせに。

褒めてあげようと思ったけど、やめた。



「お〜い、久保ぉ。」

「はい、なぁに?」



同期入社で、今現在は私の直属の上司に当たる衣料品マネージャーの小山君に、声をかけられた。

夕礼に出てたはずだから、伝達事項があるのだろう。



「恐らく気がついてるとは思うけど、片瀬がやらかした。生ケーキ、大ハズし。」

「やっぱり。」

「まぁ、今日、あんまり天気も良くないから、運が悪かったってのもあるんだけどな。」

「でも、またバカ発注したんでしょ。学習能力無いなぁ。」

「ま、そんな冷たいこと言わないで、久保も協力してやってよ。」

「何を?」

「店内放送。」

「はぁ?」

「何か、この後、大雨降るんだって。天気崩れて客足落ちる前に、生ケーキもうちょっと裁きたいから、すまんが、みんな、協力してくれって、店長が。」

「うそ。」

「ちなみに、今、この瞬間から、生ケーキ、レジにて三割引だって。」

「ふ〜ん。」
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