気まぐれな君も好きだから
気が済むまで思う存分愛し合った後、高級感のあるキレイなバスルームで時間ギリギリまで過ごし、チェックアウトした。

それから手を繋いで銀座をブラブラして、たまたま見つけたお洒落なダイニングでブランチした後、映画を見た。



普通のカップルなら何でもないことなんだろうけど、私達がこんな風に過ごすのは何か月かぶり。

俊をこんなに長い時間独り占めできたのはいつ以来だろう?



こうしている分には、俊に不満なんて全くないと思う。

几帳面で優しいオトナの彼氏にリードされて、甘えているだけでいいんだから。

嫉妬に狂う俊なんてできれば見たくないけど、それはそれだけ愛されてる証拠。

誰もが羨む恋人にこんなに深く愛されているのに、これ以上を望むなんて図々しいのかもしれない。



なのに私は何を迷っているんだろう。

欲しいのはやっぱり俊じゃないのかな?

それとも俊だけじゃ足りないの?



考えてもすぐに答えは出ない。

でもこのまま逃げ続けていたら、何の解決にもならない。

わかってるのに、グルグル同じ所を回っているだけ。

欲張りな私は、結局一人を選べない。
< 51 / 243 >

この作品をシェア

pagetop