気まぐれな君も好きだから
品の良いお婆ちゃんに大事に育てられたから、遥希はこんなに温かい男の子になったんだろう。

今の話だけで、遥希のことが前よりも理解できたような気がする。



「ありがとう。お婆ちゃん、きっと喜んでるよ。」

「遥希の家とはだいぶ事情が違うけど、私も小さい頃は、すっごいお爺ちゃん子だったの。うちも大学生の時、死んじゃったけどね。」

「そうなんだ。」

「だから、遥希といるとホッとするのかな。」

「そうかもしれないね。」



遥希と二人でいる時、私は最近、とてもリラックスしている。

いつも素直で真っすぐで裏表のない遥希といると、私まで自然と素の状態になっているように思う。



俊がいることを知った上で、それでもそんな私を好きでいてくれるという安心感があるからか、思ったことはすぐに口に出せるし、遥希にはかなり気を許している。

自分を飾ることなく、お姉さんぶったり、甘えたり、その時その時、感じたままに振る舞える。

遥希といると癒されると思うのは、そんな意味合いも含まれているからなのかもしれない。
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