気まぐれな君も好きだから
頷くと、遥希が後ろから覆いかぶさるように、私を抱きしめた。

腰の辺りに回した手にギュっと力を込め、私の肩に顔を乗せて、嬉しそうに頬をピッタリくっつけて来る。



「こうすれば、あったかいでしょ?」

「ふふふ.......そうだね。」



何でもないフリして笑ってるけど、急に抱きしめられたら、胸のドキドキが止まらなくなった。

これは遥希のことを、弟とか、ただの後輩とか思ってない証拠。

遥希はもう単なる癒しの存在じゃなく、俊と古谷君に並ぶ存在に上りつつあるのかな..........



「こういう河原とかって、学園ドラマのイメージしかなかったから、近くにあるの、何か羨ましいな。歩未は子供の頃とか、ここで遊んでたの?」

「うん。ダンボールに乗って土手を滑ったり、シロツメクサで、冠作ったりしたよ。」

「いいなぁ。」

「マラソン大会がいつも河原なのは、ちょっと嫌だったけどね。」

「あはは.......なるほどね。」
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