気まぐれな君も好きだから
それに私のカラダには、俊がつけたキスマークがあちこちについている。

そんなカラダ、見せたくない。

遥希を傷つけたくない。

嫌われたくない。

だから今日は、絶対にこれ以上は進んじゃいけない..........



「.......ダメ。」

「ごめん.......。」



夢中になっていた遥希が、ハッと我に帰ったように手を引っ込める。

拒否したと思っちゃったかな。

ショックだったかな。

そうじゃない、そうじゃないよ。

ホントは嫌なんかじゃない.........



「違う。嫌なんじゃない.......。」

「..........。」

「最初が.......ここじゃ、イヤなの。」

「..........。」

「急がないで。私だって遥希のこと、こんなに好きなんだから。」

「.......歩未?」

「いつまでも、このままじゃないから。」



それはホント。

「ここじゃイヤ」なんて、咄嗟に取り繕ったけど、それ以外の言葉は全部ホント。

これだけの強い思いが募って行けば、このままでいられるはずがない。

いつまでも知らんぷりしていようなんて、これっぽっちも思ってない。
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