気まぐれな君も好きだから
私だって、本当は拒みたくない。

でもそこまで行けば、完全な浮気。

今の時点でも明らかに許されないことをしているのに、遥希にカラダまで許したら、私はどうなってしまうんだろう。



そうなれば、きっと遥希を本気で好きになってしまう。

今よりもっと離れられなくなってしまう。

それでいいの?

俊を裏切る勇気はあるの?

決められないくせに、安易に最後の一線を越えられるの..........?



今日、着ていたのは、俊がプレゼントしてくれたワンピース。

背中にチャックが付いた前が開かないワンピースが、遥希の手が胸元に忍び込んで行くのを防いだ。

キスマークと言い、これは偶然?

信じられないような皮肉。

カラダを許すのはまだ早いって、神様に言われるみたいだ。



でも抑えきれない気持ちをあらわにしてくれた子犬が、私には前にも増して、愛しくて、可愛くて、気にかかって..........

やっぱり、溢れる思いを受け入れてあげたいって思ってしまう。



遥希は繊細で優しいから、またしばらくはキスから先を求めて来ないんじゃないかと思う。

でも次に迫られたら、もう断る自信がない。



その時までに本当はどうしたいのか、私は自分の気持ちに、きちんと決着をつけられるのかな..........
< 76 / 243 >

この作品をシェア

pagetop