【短】片思ゐ。
学校から帰宅して、急いでクラス名簿に目を通す。私は、ある名前に目が止まる。
『12番 山名 誠』
きっとこの名前だ。みんなに「山名!」って呼ばれてたはずだから。
……山名君か。
心の中で何度も呟いてみる。
山名君、山名君……。
我ながら変態みたいだなって自嘲的に笑ったけど、頭の中は山名君で溢れていた。
一度で良いから山名君と話してみたいな…。教室で目が合ったことを思いだして、また心臓がバクンバクンと音を立てる。

“明日学校楽しみかも”。こんな風に思ったのは3年ぶりだった。
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