ずっと君を想ってたよ。
第二章
~奇跡~
もう、すっかり寒い冬は過ぎ、暖かい春になった。
3年の先輩は卒業し、そろそろ後輩も入ってくる時期で、私は、高2なり先輩は、高3になる。
思えば「一年間って短いなぁー」と思った。
ここ最近は、ずっと入学式の準備があり、とても大変な毎日だった。
放課後になると、係の人は体育館に集まり、準備をしていた。
私は、その係になってしまった・・・
私は、興味もなかったし、面倒な仕事は嫌いだから、やる気なんてなかった。
だから、誰もやろうとしなかった。
そんなとき、先生と目が合った・・・
それで、先生が私にした。
そして、いやいや係の集まりに参加した。
みんな、真面目で私みたいのがやるものじゃなかった。
だから、この係は嫌だった。
しかも、仲良しの子が1人もいなくて、最悪だった・・・
そんな放課後を毎日、過ごしていたときだった・・・。
いつものように、体育館に行くと、そこには、加藤先輩がいた!!
私は、その瞬間「なんで?」と言っていた・・・
なぜか体中が熱い。
「どうしよう」と思ったときだった・・・せ先輩と目が合ってしまった。
そして、先輩は、ニコッと笑った。
もう、気絶するかと思った。
結局、その日は、先生の話も耳に入ってこなくて集まりは終わった・・・
家に帰っても、ドキドキは収まらなかった・・・。
夜ね眠れなくて、一睡も出きず朝がきてしまった・・・・・・
鏡に写った自分は、顔色が悪かった。
そんな顔で、学校に行くと、加奈と優子がすぐにきた。
「美咲、大丈夫?顔色悪いよ」
「熱でもあるんじゃない? 保健室、行ってきたほうがいいよ。」
「全然、大丈夫だよさ心配かけてゴメンね。昨日、怖い夢みちゃってさぁー」と言った。
すると、2人は「そっかぁー」と笑った。
そして、放課後に近づいてくるとともに、私の心拍数は速くなり、顔色も赤くなっていった。
とうとう、放課後の集まりになってしまった・・・
今日の仕事は、明日が入学式だから、準備することだった。
もちろん、今日も先輩は来ていた・・・
私は、1人モクモクとパイプイスを運んで並べていた。
そのときだった・・・
私の背後から、誰かが話し掛けてきた。
「女の子が、そんなにイス持ってたら、手痛めちゃうよ。」
その声は、すごく透き通っていた。
誰だろうと思い、後ろを振り向くと、加藤先輩だった・・・
「えっ?」
私は、自分の手をみてみると、両手合わせて 4つも持っていた。
私は、別に重くなかったので、
「大丈夫ですよ。」と言った。
「ダメだよ。俺がもってあげる」
「い・・・いや、大丈夫で・・・・・・」
私が言い終わる前に、私の手から先輩の手に、イスが移っていた。
「あっ!! 名前は?」
「せ・・・関口美咲です。」
「美咲ちゃんかぁー 可愛い名前だね。俺は、加藤智則。よろしくね!」
「よ・・・よろしくお願いします。」
「アハハ・・・もしかして、緊張してる?」
「いや、緊張してないですよ。」
「そっかー」
そんなとき、遠くから誰かが走ってきた。だれだろう?
「おーい!!智則!帰ろぜー」
先輩の友達だったのかぁー。
「おー、達也!!帰ろうぜ!」
そういって、先輩は、友達の方に行ってしまった・・・。
けど、先輩は、私のところに戻ってきた。
私は、目を丸くしていて、それほど驚く行動だった。
「俺、友達きたから帰るね。ゴメンね。先生には内緒だよ!」
「あ・・・はい。」
「じゃあ、また明日ね! バイバーイ」
そういって、先輩は、私に手を振った。
「さようなら」先輩には、聞こえない声で呟いて、私も手を振った。
先輩の姿がみえなくなるまで・・・
あれは、奇跡だと思った・・・。
先輩、好きです・・・。