ずっと君を想ってたよ。
第三章

 ~第1歩[友達から]~

あの奇跡の出来事の翌日は
入学式で、その後の片付けに先輩は、こなかった。

私は、もう会えないんじゃないかと思い不安になった・・・。

どうかまた、「会えますように・・・」と神様に願うことしか私にはできなかった・・・・


それから、一週間がたった、ある日の三時間目の授業中のことだった。

教科は、英語で別に、嫌いではなかった。
けれど、下手な嘘をついてサボった。そして、屋上に向かった。

ドアをあけると、寝転がり空を見上げている人がみえた。

なんとなく、近づいて顔を覗き込むと、その人は眠っていた。

けれど、私は顔をみた瞬間、驚いて尻餅をついてしまった・・・

「イテテ・・・」
 
そのときだった!!

「んっ・・・ 誰?」

加藤先輩だったからだ・・・

先輩は、起き上がり数分、私をジーッと見つめた後、ニコッとわらった。

「あれ?美咲ちゃんだよね?」

「あっ・・・はい。」

先輩に名前を覚えてもらえたことが、すごく嬉しかった。

「よかったー。もし名前、間違えてたら、どうしようかと思ったよー。 でも、なんでココに?」

「えっと・・・授業をサボりたくて。」

「アハハ・・・俺と一緒だ!」

先輩の笑った顔をみると、自然と私も笑顔になっていた・・・。

「あっ!美咲ちゃん、ケー番とメアド交換しよう。」

「えっ・・・」

夢だと思った・・・
まさか、先輩と交換できるなんて・・・

「いい?」

「いいですよ。」

そして、私は制服のポケットから携帯を取り出し、先輩の携帯と赤外線で交換した・・・。

「これで、美咲ちゃんと俺は友達だよ★」

「友達ですか?」

「そう!友達」

そういって、先輩はニコッと笑った。

そして、空を見上げた。

私は、先輩から少し離れたところに座り、同じように空を見上げた。

今日は、雲1つない快晴で、とても綺麗だった・・・。

その時、授業終了のチャイムが鳴った・・・


このまま、先輩と話していたいと思った。

先輩は、立ち上がり大きく伸びをした。なので、私も立った。

そのときだった・・・

「イテテ・・・」

さっき、尻餅ついたときに痛めたみたいだ。

「大丈夫?」

「大丈夫です。」

私は、痛みを我慢し、ゆっくり立ち上がった。

こんな姿を先輩に見られたくなかったから、「じゃあ、また」といい、走って教室に戻った・・・

教室に着くと、私の息は荒く乱れていた。

加奈と優子が「具合、大丈夫?」と聞いてきた。

そんな心配してくれる2人にウソをつくわけにもいかないと思い、正直に仮病と言った。


なぜか、体が熱い。

心拍数も速い。

そのとき、私は初めて知った・・・

きっと、この気持ちが、恋心だと・・・


あの日、先輩と友達になった・・・

先輩の寝顔は、すごく幼くて可愛かった・・・

屋上で、2人同じ空を見上げた・・・

その瞬間、幸せを感じた・・・

私の気持ちが、少しでも先輩に届きますようにと願った・・・











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