淡雪の恋
こうやって触れあって、名前を呼んで……
そんなことの一つ一つがわたしにとっては嬉しくてたまらない。
春と会わなかったら、春に恋しなかったら、こんな感情も知らなかったんだね。
「わたし、前に言ったよね?
"本当に運命の人ならまた会える"って……
わたし、信じてるよ。春とまた会えるって。
だって春は、わたしの運命の人だもん……」
ぽろぽろと意志とは関係なく涙が流れていく。
「春……春は、この冬の間、ずっとわたしをこの公園で待っててくれたよね?
わたしが生まれ変わったら…また、春に会ったら……今度は、わたしが春に、会いに行くから。
そうしたら……また、一緒に…いろいろな話をしよう………?」
「淡雪っ」
意識がどんどん遠くなって大好きな声も聞こえなくなっていく。
力も、どんどん抜けていく。
「淡雪!!」
「は、る……」
うっすらと目を開けると心配そうな春の目がわたしを見ていた。
「はる……」
信じてる……また会えるって……信じてるから……
だから………
わたしは精一杯の笑顔を春に向けた。
「…わたしの、こと……信じて……まってて、くれますか………?」
その答えを聞かずに、わたしの意識は溶けて消えていった。