短編集~坂道の途中で~
『ふぁーあ。あ、綺麗な夕陽だなぁ。そういやあの人間、家に帰れたかな』
「心配してくれてありがとうっ」
僕は振り返った。
なんだこいつ。まだいやがった。
てか、夢じゃなかったのか?
まじかよ。あぁ、さようなら僕の親友よ。
「ちょっと、死んだフリ? さっきのお礼しにきたのに」
『必要ない。帰れ』
「つめたーい。はい、さきいか。置いておくから食べなよ。鈴太」
『なっ………なんで名前を?』