恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜



 職員朝礼が済むと、クラス担任たちは席を立ち、自分のホームルームへと朝礼に向かう。
 一時間目の授業が入っている時は、朝礼から戻ってきて間髪入れずに、再び授業をする教室へと向かわねばならない。その間、真琴も古庄も、お互いの存在を気にするような余裕はない。真琴も自分の机に戻ってくるなり、用意していた授業道具と出席簿を抱えて職員室を後にした。


 一時間目に普通よりも速い進度で行う授業は、かなり負荷が重い。通常ならば、授業内容が確認できるように黒板一面に書いて消したりしない板書も、この授業では消して、また新たに書き足さねばならない。一時間中しゃべりっぱなしなので、口もカクカクしてくる。

 授業が終わった時には、まだ朝一番目だというのに、どっと疲れを感じてしまう。さらに、この曜日は二時間目に今度は文系クラスの授業が入っていて、真琴は座る間もなく、再び授業へ向かうのだ。


 
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