恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜



 真琴の言う通り、今年古庄は特別活動の分掌の中で、生徒会を担当していた。

 生徒会のご意見番となるこの担当は、逐一生徒会の指導に当たり、生徒会の発案した事を特活部や職員会議で報告しなければならず、多忙を極める。
 特に、この文化祭前は、部活などはそっちのけで、つきっきりで一緒になって準備に駆け回っていた。
 

 それでも、めげてはいられない古庄が、週末のことを訊こうと思った矢先、


「この土日も、私は祖父の七回忌で実家に帰らなければならないし、古庄先生だって部活があるでしょう?」


と、またもや真琴から現実を突き付けられた。

 そうなのだ。もうラグビー部の花園予選まで1か月ちょっとしかない。貴重な週末は、練習試合に当てられていた。

 
 古庄はがっかりしたが、真琴が自分の仕事の内容まで把握してくれていることに、少し救われた気がした。
 それだけ、いつも真琴が自分を気遣ってくれているということだ。だからこそ、些細なことに困ったときでも、いつも真琴は助けてくれるのだ。
 

「お互い、今の生活はすぐには変えられませんから、しばらくは今までのままで…ということになると思います」


 
 
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