恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜
女子会で恋バナ
そのフレンチレストランはカジュアルなところで、手ごろな価格でディナーコースが味わえる。
真琴や仲のいい同僚たちは、月に1度くらいの割合でここで食事をし、自分にご褒美をしてあげていた。
この日集まったのは5人ほど。この女子会のメンバーは年々の異動に伴い数人ずつ入れ替わっているが、気の置けない仲間同士で楽しい時間を過ごしている。
季節ならではの食材を生かしたメニューを楽しみながら、女同士の会話は弾んでいたが、真琴は古庄ときちんと話をすることよりも、こちらの方を選んでしまった後ろめたさで、少し気分が重たかった。
きちんと話をするどころか、今日の真琴は古庄に対して変に意識してしまって、日常会話さえままならなかった。一昨日までは普通に話が出来ていたようなことも、身構えてぎこちなくなってしまう。
まるで、一年前に想いが通じ合う前みたいに…。
古庄に対してどんな態度で接したらいいのか分からなくなった。
別に避けているわけではないが、教頭の目が光っているかと思うと身がすくんでしまう。隠し事など得意ではない真琴は、古庄と楽しく歓談などすると、秘密がバレてしまうのではないかと気が気ではなくなる。