恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜
結婚という現実を思うと、嬉しいというよりも、自分でも説明がつかないような変な気分になる。この変な気分をどうにかして、自分の気持ちを整理しなければ、古庄とまともに話もできないだろう。
もちろん、古庄のことはこの世の何にも増して好きだ。真琴だって、いつかは古庄ときちんと結婚して、一生を共にしたいと思っていた。
愛しい人を、自分の力で幸せにしてあげたかった……。
けれども、今日の自分はあのザマだ。
自分のぎこちない態度に接した古庄の、あの哀しそうな目…。
幸せにするどころか、あんな目をさせてしまって、真琴の心は申し訳なさでいっぱいになる。そして、古庄を想う愛しさのあまり、心が切なく痛んだ。
「……賀川先生?気分でも悪い?」
考え事をして食事をする手が止まっている真琴を心配して、メンバーの一人が声をかけてきた。
真琴はハッと我に返って、顔を上げる。
「ううん、大丈夫。何でもない」
「本当に?何か心配事でもあるんじゃないの?」