恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜
「古庄先生ねぇ…。そっか、そうだよね。あの完璧な容姿の男性がいきなり目の前に現れたら、そりゃ、誰でもコロッと参っちゃうよね」
谷口がニッコリ笑いながら、そう話す。
「えっ?!誰でも…なんですか?」
理子は両手を胸のところで結んで、話題を掘り下げる質問をした。
「彼の存在は、女性にとっては衝撃そのものでしょ。草食系でも肉食系でもなくって、本当に心地いいのよね。私だって、出会った時はポーッとしたわ」
「えっ?ウソ。谷口先生も?」
「ってことは、中山さんも?」
と、一同そろって古庄に出会った時のことを暴露し合う。
確かに、古庄と出逢ったばかりの真琴にとっても、彼の存在は衝撃というより脅威だった。
「まあ、彼の魅力にのぼせちゃうのは、女子生徒だけじゃないってことよね」
「…そ、それじゃあ、皆さん。皆さんも古庄先生のことが好きってことですか…?!」
理子は焦りのあまり、泣き出しそうな声を上げた。
「いや、それはそうじゃない。今は別に何とも思ってないしね」
「確かに、素敵な男性だとは思うけど、好きではないわね」
理子は胸を撫で下ろしながら、さらに確かめる。