恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜
文化祭の準備!?
月曜日、真琴がいつものように出勤すると、古庄もいつものように新聞を読んでいた。
「おはようございます」
「おはよう」
別々の家から出勤し、こんな風に挨拶を交わしてはいるが、これでも結婚5日目の新婚さんだ。
結婚してからこの二人は、その事実にかかわらず、一緒に暮らすどころかキスさえも、キスどころか一緒に食事さえもしていない。これでは今までと何ら変わりのない、ただの同僚だ。
「ラグビー部の練習試合はどうでした?」
真琴も幾分心の硬直が解けて、自然な感じで古庄に話しかけることができた。その感じを受けて、古庄もホッとする。
「うん。相手はどちらかというと格上で、今まで勝ったことなかった学校だったんだけど、昨日の試合では勝ったよ。島田が2本もトライを決めてね」
真琴はそんな古庄の話を聞いて、ニッコリと笑った。
その笑顔に、古庄の胸がキュウンと痺れる。真琴のことを抱き締めたくてたまらなくなるが、ここが職員室だということを思い出して、必死で衝動を宥めた。
「賀川先生は、久しぶりの実家はどうだった?」
そう尋ねられて、真琴は肩をすくめる。
「久しぶりですけど、相変わらずでした」