恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜
けれども、古庄はもうこれ以上待つのは嫌だった。何としても、真琴と甘い夜を過ごしたい。
今のこの世の中に、こんなにプラトニックな夫婦なんてあるだろうか…!
「それじゃあ、今晩はどうかな?この見回りが終わったら、もう帰るだけだし」
古庄の真琴を見つめる目に、熱がこもる。その熱意に押されて、真琴はうなずいた。
「いいですよ。行きましょう」
――……よっしゃー!!
古庄は心の中で、跳び上がってガッツポーズをした。
もうすでに、意識は食事の後の〝甘い夜〟ことへと向かっている。ゴクリと唾を呑み込んで、慎重に次の言葉を選んだ。
「それで…、食事が終わったら、賀川先生の……」
と言いかけて、不意に違うことが古庄の思考を過った。
「……そうだ。これからは、賀川先生のことを『真琴』って呼んでいいかな?」
突然そう言いだされたことに、真琴の思考が止まる。真琴のその沈黙を、古庄は真琴が考え込んでいると思ったらしく、説得のための言葉を続ける。
「もちろん学校以外で、というか、二人きりの時だけだ」
「どうぞ。そう呼んでください」