私を見つけて
帰り道、彼は私のしょーもない話を嫌な顔ひとつせずきいてくれた。
そこでふと気づく
散々喋ってるのに名前しらん!!
今まで聞かなかったのに急に聞くのは変かなー?
いや、でも名前くらい知っておきたいしなぁ。
よしっ、聞こう!!
「なーなー、名前なんて言うん?」
私がそう言うと彼はぽかんとした表情になり、少し考えた顔をした後、
「あー、こんだけしゃべってんのにお互い名乗ってなかったな
首藤 直輝
これが俺の名前」
首藤、直輝ね。
「おっけ、覚えた!
よろしく、直輝」
直輝、直輝と心の中で繰り返し呼びながら私の顔は綻んでいた。