仮カノ




「別にいいですけど…。

私も神谷くんの気持ちが分かりました。
確かに言い寄られるのは、好きじゃないです。」


「だろ。」


「あっ、血、出てますよ?」


私は、神谷くんの唇が切れていることに気がつく。


「…あぁ。
これくらい大したことねぇよ。」


「でも…。」


「いいから、行くぞ。」


神谷くんは、軽く身だしなみを整えて、歩き出した。



< 184 / 267 >

この作品をシェア

pagetop