仮カノ
時刻は9時を回った頃。
今から花火が始まる。
私たちは人気のないところでいい場所を見つけ、そこで見ることにした。
花火が始まると、今まで暗かったところが一瞬、明るくなる。
チラッと横を見る。
花火が上がったときに顔が明るくなり、神谷くんの顔がよく見える。
……カッコいい……。
一瞬でもそう思った私に罪悪感を覚える。
「ん?青井、どうかした?」
「……いや…、別になんでもないです。」
「そっ。」