仮カノ
奏思が急に叫ぶと、
教室にいた子たちがいっせいにこちらをむく。
「嬉しかったよ。
“そんなことない”そういってくれたのは。
でも、正直になれ。
俺のことはいい。
自分が幸せでいられるところにいけ。
それが水城のところだったとしてもいい。
俺は梨月の幸せを願ってる。」
「奏思……、いつもありがとう。
そうやって私に優しくしてくれて。
だからこそ、迷った。
奏思じゃなくて水城くんを選んでいいのか、って。
でも、奏思のおかげで決心がついたよ。」