あなたには見えますか…………
「マキちゃんの父親が話すには、当時少

女が亡くなって見つかった場所が分かれ

ば、供養出来るって……

お爺ちゃん、その場所がどこか分からな

いかな……?」



「そうか……住職さんがそんなことを話し

てくれていたのか……

わしもずっとこの村におるから、当時の

事件は知っておる……

しかし、場所となると……

もう70年も昔の話になるからな……

当時とはずいぶん、村も変わってしもう

たからのう……」



「思い出せることが、少しでもあれば教

えてほしいんだ……なぁ、お爺ちゃん……

マキちゃんの父親は、その少女が廃墟に

いたって……

でもどの辺りかは、分からないって……」



俺たちが話す横では、両親が黙って見守

ってくれていた。

俺が泣きそうな顔をしているのを、ずっ

と……



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