あなたには見えますか…………
「昔はな、もっと今よりも緑が多く、竹

林も多かったんじゃ。

その竹林の奥にも多数の家があってな。

その場所はもう今は開発され、新しく家

が建っておるはずだが……

わしも永年、そこには行ってないから、

今がどうなっとるのかは、定かではない

がの……」



「竹林……マキちゃんのお寺の裏側にまだ

竹林はあったはずだけど……

その辺りの事かな……?」



「あぁ、あのお寺の周りにはたくさんの

自然があったからの……

しかし今もまだ、あの廃墟となった屋敷

があるとは思いにくいが……」



お爺ちゃんがそう話していると、当時の

事件を思いだしている事に、苦しくなっ

てきたのだろう。



よろける身体を壁にもたれかけている様

に、変わってきていたんだ……



< 117 / 187 >

この作品をシェア

pagetop