あなたには見えますか…………
翌日、俺は一人で朝早くから、昨日聞い

た山林を目指し歩き始めていた。

カオルを誘うか迷ったが、もし危険があ

るなら……という想いから、一人で行く事

に決めたんだ。



また俺のせいで、悲劇に巻き込みたくな

かったから……



もう、ああいう取り返しのつかない後悔

は、二度としたくない……



俺が仮にその屋敷を見つける事が出来て

も、俺には何も出来ないのは、分かって

いる。

でも……それをマキちゃんの父親には、伝

えれるから……



せめてこれぐらいは、一人で勇気を出し

てやりたかった。



それは、俺の小さな小さな償いの気持ち

だったのかもしれない。



オサムとマキちゃんへの……



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