あなたには見えますか…………
それからしばらく前に進んでいった時、

前方には、出口と思われる日の差す光景

が見えてきていた。



「よかった……」



俺は、永遠に続くかと思われた、この光

景から解放される安心から、自然と口走

っていたんだ。



足元を注意しながら、足早にその光が差

す場所に急いでいた。

それは駆け足に近かったかもしれない。

それほど俺は、恐怖と孤独をこの空間に

感じていたのだろう。



竹林を抜けると、その光景は驚くべき姿

を現していたのだ。

この村で生まれ育ってきたが、それは俺

が始めて見る景色。



まるで別世界に来たような感覚に俺は、

なっていた。





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