あなたには見えますか…………
怖いと感じれば、壁の染みさえも恐怖に

感じてしまうものだろう。

俺は、何度も何度も辺りを見渡し、ソワ

ソワとした心境になっていた。



早朝から家を出たにも関わらず、既に照

りつける太陽は真上に位置し、時間の経

過を刻々と思い知らされる。



携帯電話を取りだし、俺は時間が14時過

ぎなのを確認すると同時に、電波が届い

ていない事も確認をしていたんだ。



「圏外か……暗くなる前に少しでも、なに

か手がかりを見付けないと……」



俺は、人との連絡がつかなくなっている

携帯電話の時刻を見ながら、虚しく呟い

ていた。





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