あなたには見えますか…………
俺はゆっくりと足を前に進め、大きな敷
地の外周を一周すると、再び玄関先に辿
り着いていた。
数センチだけ開いているその玄関のドア
の内部を、おそるおそる片目で覗き込む
ものの、中は光が入っておらず黒き世界
だけが見えるだけである。
しばらくの間、その大きな玄関と睨み合
った末、俺は玄関の取手に手を掛けたん
だ。
しかし、ピクリともドアは動く事はなく
ただギシギシと音をこの一帯に響かすだ
けである。
長年の劣化により、立て付けが悪くなっ
たのだろうか、まるで外部の者を拒むか
のごとく、玄関からは中には入れそうに
なかったんだ。
地の外周を一周すると、再び玄関先に辿
り着いていた。
数センチだけ開いているその玄関のドア
の内部を、おそるおそる片目で覗き込む
ものの、中は光が入っておらず黒き世界
だけが見えるだけである。
しばらくの間、その大きな玄関と睨み合
った末、俺は玄関の取手に手を掛けたん
だ。
しかし、ピクリともドアは動く事はなく
ただギシギシと音をこの一帯に響かすだ
けである。
長年の劣化により、立て付けが悪くなっ
たのだろうか、まるで外部の者を拒むか
のごとく、玄関からは中には入れそうに
なかったんだ。