あなたには見えますか…………
第7章……真実
その日の夜、秀弘の自宅ではあまりにも

帰りの遅い秀弘を、心配する家族の姿が

あった。



「お父さん、秀弘遅くないかしら? も

う22時になるわよ?

カオルちゃんとまた会ってるならいいけ

ど……」



「あぁ……携帯電話には連絡したのか?」



「えぇ。でも圏外か電源が入ってないと

かのアナウンスが流れるばかりで……」



「そうか……まさかとは思うが……昨日に

聞いた場所を探してたりしてないだろう

な……秀弘は……」



「まさか……でも……あの子、オサムくん

とマキちゃんがいなくなって、動揺して

たから……」



「たしか、お寺の裏手に竹林があるって

話だったかな。なぁ爺さん?」



「あぁ……しかしあの場所に、もし入った

となると、探すのも困難になるだろう……

竹林の中は、月明かりすら届かないから

のう……

秀弘は、朝から出掛けてたみたいだし、

そんな場所にずっとまだいるとは、到底

考えにくいが……」



「それもそうだが……

先に、カオルちゃんに電話をしてくれ

ないか、お母さん」



「そうね……二人が一緒にいるかもしれな

いしね……」




家族は、大事に至っていないことを祈る

ばかりであった。




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