あなたには見えますか…………
母親がカオルに電話をすると、すぐにカ

オルの声が聞こえて出していた。



「あれ……おばさんどうしたのですか?」



「カオルちゃん、夜分にごめんね……

秀弘がそっちに行ってないかと思って」



「え? ヒデとは今日は会ってませんけ

ど……ヒデがどうしたんですか……」



そこには、カオルの消え入りそうな声が

あったんだ。



「そう……朝から出掛けたまま、まだ帰っ

てきてないのよ……

もし、カオルちゃんに連絡があれば教え

てもらえるかしら……?」



「分かりました……私もすぐヒデに連絡を

してみますから……」



カオルは、血の気の引いた表情になりな

がら、通話を切っていた。



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