あなたには見えますか…………
竹林の入口には、お爺ちゃんも来ていて

くれていた。



「秀弘……そんなになってしもうて……」



「お爺ちゃん……ごめん……みんなにも心

配かけて……」



「話はまたあとでや。

それより、病院に向かうぞ、秀弘」



そう言うと、父親は自宅まで俺を支えな

がら歩いてくれていた。



その道中、俺たちは会話をすることもな

く、自宅へと向かっていたんだ。

きっと皆は、おおよその理解をしていた

のだろう。

少女の件にまつわる災害だと。




自宅に停めてある車に、全員が乗り込む

と、父親の運転する車は村から離れて建

つ病院へと進んでいったんだ。








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