あなたには見えますか…………
「出れなくしたって……」



「あぁ……わしらはあの夜、親たちが村の

寄り合いでいなかったこともあってな、

友達の五人で遊んでおってな……

いつもとは違う、夜のかくれんぼに胸を

弾ませておったんじゃ。

一人の男の子の広い屋敷の中で、やるこ

とになっておっての……

鬼役の者が100を数える間に、子役のわ

しらは悪巧みを考えてな……

四人でその当時、見つかる事もない空き

家になっていた屋敷に、行く事にしたん

じゃ……」




お爺ちゃんが涙を流す光景を、俺はその

時に初めて見たんだ。







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