あなたには見えますか…………
「一人の友達が、その屋敷の庭から木の

棒を拾って来ての……

片開きの押し入れの扉を開かないように

固定し出してな。

わしらは、ただの遊び心のつもりだった

んじゃ……

押し入れの中から、雅子が開けてと繰り

返し叫んでいたが、イタズラ心で笑って

いたんじゃよ……

すぐにまた開けるつもりでいたからの……

じゃが、その時に寄り合いが終わった大

人達が、表で話す声が聞こえて来出した

んじゃ。

わしらは、勝手に屋敷に入った事がバレ

ないかと、そわそわしだしての……

一人が走って屋敷から逃げたのをきっか

けに、皆で逃げ出したんじゃ……

助けを叫ぶ雅子をそのままにしてな……」



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