あなたには見えますか…………
「そんな……ひどいよ……」



カオルが表情を曇らせながら、呟く声が

聞こえて来ていたんだ……

カオルもまた、涙を流しながらそう呟く

言葉に俺は、何も答えれずにいた時に、

お爺ちゃんが話し出してくれるんだ。



「わしらは、あんなつっかえ棒なんぞ、

勝手に外れるとタカをくくっていたんじ

ゃ……

子供ながらに、安易な発想でな……

わしらは、そのあとは親たちにキツク叱

られての。

深夜に外出し、遊びに回っていたことが

バレてな……

雅子がいないと、深夜に大人達が騒ぎ立

てていたが、勝手に屋敷に入っていた事

がバレると、更に多く叱られてしまうこ

と思い、誰も雅子の居場所は話さなかっ

たんじゃ……」



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