あなたには見えますか…………
「そんな……それで雅子ちゃんが死んじゃ

ったの……可哀想だよ……

ただ遊びたかっただけなのに……

何日も暗い中を一人で、叫んでいたんだ

よね……」



カオルは、俺の腕を強く握り締めながら

そう呟くんだ。



周りの家族も、初めて聞く内容に戸惑い

の表情を浮かべ、お爺ちゃんに何も話せ

ずにいた。



俺も同じくだったんだ……



まさか、お爺ちゃんが事件に関わってい

た当事者だなんて、想像も出来なかった

から。



ただ、当時の村の事を知っているだけだ

と思っていた……



今の優しいお爺ちゃんの姿が、その時は

心無き魂に、俺には見えてしまっていた

のも事実なんだ……




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