あなたには見えますか…………
俺たちの周りには、重い空気が立ち込め

それからは誰も話さなくなっていた。



いや。話せなかったのかもしれない。



今も続く怪奇事件の始まりが、俺のお爺

ちゃんだったなんて……



俺は今までの明るい家庭には、二度と戻

れないような感覚になっていたんだ。



以前のまま、知らなかった方がよかった

のかもしれない。

でも、この事件に首を突っ込んだのは、

俺自身なんだ……



夏休みが始まる前の、生活に戻りたかっ

た……

今は、何をしても後悔ばかりが付いて回

る。



俺は、人生が暗い闇の底に落ち込んだ感

覚しか持てないようになっていたんだ。




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